栄養療法

    タンパク質


    上記を見ると、1995年から2010年の間に国民のタンパク摂取量は驚くべき事に男女ともに約20g/日も摂取量が減っています。また最近の人たちは純化された炭水化物(お菓子や白米、うどん、白いパン)を多く摂るようになり、ビタミン不足や亜鉛不足を来たして、さらに基礎代謝が下がってしまう事になります。即ち、疲れやすく元気がないので甘いものを食べると糖分がミトコンドリアに取り込まれATPが増加して一過性に元気になったと錯覚しますが、そのときにビタミンB群やミネラル不足をさらに使ってしまうので、タンパク質を異化してATP産生する基礎代謝率がさらに下がるという悪循環を招いています。( → TCA回路参照)


    皮膚細胞、胃や腸の粘膜細胞、基礎代謝で消費されるタンパク質

    毎日私たちの体は赤血球が120日、皮膚が30日、胃や腸などの粘膜が2~3日で入れ替わっており、平均して100~200億の細胞が入れ替わっていると言われています。不妊治療で大事な、卵細胞や精子細胞は75日ほどで成長すると言われています。これらの細胞の入れ替えを支えるためには十分な量の蛋白の補充が必要になります。


    細胞膜を構成するものはタンパク質とコレステロールが約50%ずつ

    また細胞膜を構成するものはタンパク質とコレステロールが約50%ずつ含まれており、細胞膜の流動性を維持する不飽和脂肪酸は重要です。理想的にはオメガ3とオメガ6系の脂肪酸(油)が1対3の割合がもっとも理想的とされていますが、オメガ6系の油(天ぷら油、ごま油)を我々は非常に多く摂り過ぎる傾向があります。できれば血液をサラサラにしてコレステロールや血圧を下げてくれるEPAやDHAが含まれた青魚や亜麻の実(ゴマのようなもの)、さらには昆布・わかめ等を積極的に摂るようにしてください。