卵子凍結(社会的適応)

    卵子凍結における妊娠率

    卵子凍結によって保存した卵子を使って妊娠・出産するためには、卵子と精子とを身体の外で受精する体外受精が必須となっています。


    卵子は凍結しているので、融解(溶かす)必要があります。融解の過程で5~20%の割合で卵子が破損してしまうこともあります。また、融解後、精子と受精すると受精卵(胚)になりますが、その受精卵が良好胚であるとは限りません。良好胚が子宮に着床してはじめて「妊娠」となります。


    • 凍結卵子を融解した時の卵子生存の確率
      • 融解後の卵子生存の確率・・・80~95%
      • その後、精子を注入した場合の受精率・・・60~80%

    • 未受精卵融解後に、卵子が生存、受精し、質が良好な受精卵が確保できた場合に、卵子10個あたりで妊娠できる確率こちらは、採卵時の年齢により割合が異なります。
      • 30歳以下・・・80%程度
      • 31~34歳・・・75%程度
      • 35~37歳・・・53%程度
      • 38~40歳・・・30%程度
      • 41歳以上・・・20%以下

    卵子の生存率とその後の着床率を考えると、なるべく若い年齢で卵子凍結を行い、10個以上~できれば20個以上の未受精卵を凍結保存しておくことが望ましいということがわかります。


    よって卵子凍結の際には採卵前に排卵誘発剤を使用して沢山の卵子を作り、1回の採卵でなるべく多くの卵子を採取出来るようにします。