当院では、納豆の摂取を強く推奨しています
納豆は、植物性タンパク質や葉酸、鉄分など、
妊娠を望む女性にとって嬉しい栄養素が豊富な食品です
しかし、動物性タンパク質から得られるアミノ酸もまた、
妊娠しやすい体づくりには欠かせません
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タンパク質は、20種類のアミノ酸が組み合わさってできており
そのうち体内で合成できない9種類は「必須アミノ酸」と呼ばれ、
食事から摂取する必要があります
納豆は、必須アミノ酸をバランス良く含んでいますが、
動物性タンパク質に比べて、メチオニン、リジン、トリプトファンなどの
含有量が少ない傾向にあります
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これらのアミノ酸は、女性ホルモンのバランスや卵子の質、
子宮内膜の状態など、妊娠に関わる様々な機能に影響を与えます
例えば、メチオニンは、抗酸化作用のあるグルタチオンの合成に関与し、
卵子の老化を防ぐ効果が期待できます
リジンは、免疫力を高め、受精卵の着床を助ける働きがあると考えられています
トリプトファンは、精神安定作用のあるセロトニンの材料となり
ストレスを緩和し、ホルモンバランスを整える効果が期待できます
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不妊治療中の方にとって、これらのアミノ酸を十分に摂取することは、
妊娠の可能性を高める上で重要な要素となります
以下に、動物性タンパク質を効率的に摂取する方法をいくつかご紹介します
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<卵>
必須アミノ酸をバランス良く含み、葉酸も豊富です
納豆ご飯に卵を加えたり、オムレツや卵焼きを添えたりするのも良いでしょう
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<魚介類>
青魚には、DHAやEPAなどの良質な脂質も含まれています
これらの脂質は、ホルモンバランスを整え、子宮内膜の状態を改善する効果が期待できます。
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<赤身の肉>
鉄分が豊富で、貧血気味の女性には特におすすめです
鉄分は、酸素を運搬し、子宮や卵巣への血流を促進する働きがあります
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<シラス>
カルシウムやビタミンDが豊富な上、消化吸収の良いタンパク質源としても優秀です
カルシウムは骨を丈夫にし、ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます
納豆ご飯にシラスを加えれば、手軽に栄養価をアップできます
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これらの食品を、納豆と組み合わせてバランス良く摂取することで、
アミノ酸の不足を防ぎ、妊娠しやすい体づくりをサポートできます
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また、サプリメントで補うという選択肢もありますが、
まずは日々の食事からバランス良く摂取することを心がけましょう
特に、葉酸やビタミンDなど、妊娠に必要な栄養素も意識して摂取することが大切です
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納豆を主食とする食生活に、動物性タンパク質を上手に取り入れ、
バランスの取れた食事で、妊娠への道を力強く歩んでいきましょう
不安な場合は、栄養カウンセリングをお受けいただき、
個別の状況に合わせたアドバイスを受けることをおすすめします
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管理栄養士