抗酸化療法の見直し

2025.02.26BLOG

抗酸化療法の見直し

先日、患者さんの書類を書いているときに気づいたことです
その方が当時とられていたサプリメントは、抗酸化対策のものが3種ありました
そのおかげだと思うのですが、実年齢以上にきれいな受精卵ができました
特にミトコンドリアへの抗酸化対策は妊娠において
大変有効な手段だと改めて思ったわけです

細胞には主に
核酸、タンパク質、糖、脂質などが存在していますが
一番酸化しやすいのは、脂肪(細胞膜)です
その脂肪を酸化から守るものとして
アスタキサンチン、CoQ10、PQQ(ピロロキノリンキノン)などいろいろあります
その中でミトコンドリア膜に積極的に働いてくれるのが
PQQです
PQQは、以下のようにミトコンドリアの機能改善や抗酸化作用を持つことが知られています

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生工場であり、
呼吸鎖複合体で電子伝達を行う際に活性酸素種(ROS)を生成します。
ROSは適量であれば細胞内シグナル伝達に関与しますが、
過剰に生成されると酸化ストレスを引き起こし、
ミトコンドリア膜を構成する脂質やタンパク質を酸化させます
これにより、ミトコンドリアの機能低下や細胞死につながる可能性があります

<直接的な抗酸化作用>
PQQは、自らが酸化されることでROSを消去する直接的な抗酸化作用を持ちます
PQQは酸化型と還元型の間を可逆的に変化することができ、
繰り返しROSを消去する能力があります
.
<間接的な抗酸化作用>
PQQは、細胞内の抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)
カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなど)の発現を促進し
内因性の抗酸化防御機構を高めます

<ミトコンドリア生合成の促進>
PQQは、PGC-1αと呼ばれる転写因子を活性化し
ミトコンドリアの生合成(ミトコンドリアの数の増加)を促進します
これにより、機能的なミトコンドリアが増加し、
エネルギー産生効率が向上するとともに、酸化ストレスへの耐性が高まります

<ミトコンドリア膜電位の維持>
PQQは、ミトコンドリア膜電位を安定化させる効果があります
膜電位の低下はROSの生成を促進するため
PQQによる膜電位の維持は酸化ストレスの軽減に繋がります

<脂質過酸化の抑制>
PQQは、ミトコンドリア膜の脂質過酸化を抑制する効果があります
脂質過酸化は、ミトコンドリア膜の損傷や機能低下を引き起こすため
PQQによる抑制はミトコンドリアの保護に重要です

実際の研究事例として
動物実験では、PQQの投与により、ミトコンドリア機能が改善し
酸化ストレスが軽減されることが報告されています
また、培養細胞を用いた研究では、
PQQがミトコンドリア膜の脂質過酸化を抑制し、細胞生存率を高めることが示されています


さて、その患者さんが摂取していたサプリメントでは
★MitoQ
★エルゴチオネイン
★タモギタケ
でした
今後も抗酸化対策としてMitoQを始めとしたサプリメントを
ご案内していきます
ご希望のある方はスタッフにお声がけください

院長