体の酸化は呼吸しているだけでも起こります
そのため体内には様々な活性酸素への対策が施されています
またビタミンのように食事から摂取して活性酸素に対抗してくれる栄養素もあります
酸化=老化 なので、卵巣機能を保つためには
活性酸素対策=抗酸化対策 は必須です
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そしてそれは精子も同様です
精子の状態は加齢やストレスに影響を受けます
酸化ストレスは運動率低下や精子DNAの損傷が起き、妊娠率の低下や流産率の増加をもたらす可能性があると分かっています
不妊男性では、カロテノイドやビタミンEなど血液中の抗酸化物質の濃度が低くさと
精子の質の間に正の相関があることが報告されています 1)
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また亜鉛も抗酸化作用があります 2)
亜鉛の生殖における役割はそれ以外にも多数あります
DNA 転写に関与するステロイド受容体と金属酵素の成分として
精子形成に不可欠であり精巣容積、精巣重量の減少、精子形成不全に関連します
また生殖能力が正常な男性グループと比較して不妊男性は亜鉛レベルが低いこともわかっています
けれど亜鉛のサプリメント補給によって妊娠率、精子数、精子機能が
改善されないことが報告されています 3)
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妊娠率上昇のために、抗酸化対策は必須ですが
抗酸化ビタミンやミネラルのサプリメントを摂取するだけではなく
日頃の生活で活性酸素を増やさない工夫も必要です
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過度な運動、喫煙、飲酒、ストレス、有害物質の摂取、環境汚染…
挙げればキリがないほど活性酸素の原因となり得ることは多いので
抗酸化物質と言われるフィトケミカルやビタミンACE、亜鉛など
日常の食事で積極的に摂取することを勧めます
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そんなお話は当院の「栄養カウンセリング」で行っています
外来では@linkから予約を、オンラインではCLINICSから予約をお取りいただけます
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*参考文献*
1)Benedetti S, Tagliamonte MC, Catalani S, Primiterra M, Canestrari F, De Stefani S, Palini S, Bulletti C. Differences in blood and semen oxidative status in fertile and infertile men, and their relationship with sperm quality. Reprod Biomed Online. 2012 Sep;25(3):300-6. doi: 10.1016/j.rbmo.2012.05.011. Epub 2012 May 30. PMID: 22818093.
2)Colagar AH, Marzony ET, Chaichi MJ. Zinc levels in seminal plasma are associated with sperm quality in fertile and infertile men. Nutr Res. 2009 Feb;29(2):82-8. doi: 10.1016/j.nutres.2008.11.007. PMID: 19285597.
3)Allouche-Fitoussi D, Breitbart H. The Role of Zinc in Male Fertility. Int J Mol Sci. 2020 Oct 21;21(20):7796. doi: 10.3390/ijms21207796. PMID: 33096823; PMCID: PMC7589359.