ビタミンDには
茸類に含まれるビタミンD2(エルゴステロール)
魚類に含まれるビタミンD3(コレカシフェロール)があります
日本人の摂取の90%以上は魚からで、ほかに卵は3%程度
茸からは4.4%程度と考えられています
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体内では紫外線照射によってビタミンD3を生成することができます
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食品摂取や皮膚で生成されたビタミンDは肝臓で25水酸化酵素によって
代謝され、その大部分が25OHD(25-ヒロドキシビタミンD)になります
よって25OHDはビタミンDの栄養状態を反映します
おおよそ10~50ng/mlです
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血中25OHD濃度によるビタミンDの判定方法は以下の通りです
日本骨代謝学会,日本内分泌学会による「ビタミンD不足・欠乏の判定指針」
□20> ビタミンD欠乏
□20<30 ビタミンD不足
□30≦ ビタミンD充足
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25OHDは腎臓で1α位水酸化酵素によって活性型である[1,25(OH)2D](1a,25-ジヒドロキシビタミンD)に代謝されて
核内のビタミンD受容体であるVDRと結合して生理作用を発揮します 1)
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ビタミンDの生理作用は
・骨代謝に関与 小児では骨の成長、大人では骨軟化症の予防
・小腸でのカルシウムとリンの吸収を促進し、血中のカルシウム濃度保持
・細菌感染防御機構に関与(免疫能の向上)
・神経伝達や筋肉の収縮を正常に行う
・心血管保護作用
・抗酸化作用で肌の炎症を抑え、ニキビを予防したり改善したりする
・紫外線や細菌から肌バリアとなる「抗菌ペプチド」を産生
・がんリスクの低減
・胚(受精卵)が着床し胎盤が形成されるのを制御する 等
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<ビタミンD2を含む食品>
干しシイタケ、きくらげ、舞茸 等
<ビタミンD3を含む食品>
あん肝、しらす干し、鮭、いわし、にしん 等
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ビタミンDは骨代謝や免疫能をはじめとして
さまざまな生理作用をもち、だれにとっても高めたい重要な栄養素です
次回は「妊娠とビタミンD」について記載します
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管理栄養士
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*参考文献*
1)津川 尚子.日本人のビタミンD不足・欠乏の実態骨および種々の疾患リスクとの関連.Kagaku to Seibutsu 59(12): 622-630 (2021)