尿酸と妊娠

2024.10.07BLOG

尿酸と妊娠

「プリン体」と聞くと通風をイメージする方が多いと思います
プリン体とは、細胞の成長と分裂、エネルギー供給、遺伝情報の伝達に不可欠な役割を果たしています
そのため、プリン体の代謝が適切に行われることは、
健康な細胞機能と全身の健康維持にとって重要です
プリン体は体内で分解され、最終的に「尿酸」として、主に腎臓を通じて尿中に排泄されます

健康診断などで尿酸値が高いと、これまた不安になる方が多いと思います
けれど尿酸は体内では抗酸化物質、ミトコンドリアの生物学的機能の調節に関与、としての重要な働きがあります
よって、妊娠には重要な働きを示します
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実際に下記の論文では
尿酸値が5を境に高値になるほど卵巣予備能が高く、AMHレベルが高いこと
同時に予期せぬ卵巣反応不良のリスクも高くなることが示唆されました
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尿酸は怖いばかりではなく、妊娠において大切な指標ともなり得ます
当院の血液検査では、尿酸値も測定をしています
5未満の低い方は、栄養カウンセリングを受けて高めを目指しましょう!
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院長
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*参考文献*
Association of serum uric acid with women’s ovarian reserve: observational study and Mendelian randomization analyses
Wang, Guiquan et al.
Fertility and Sterility, Volume 122, Issue 1, 162 - 173