ビタミンB1不足~現代の江戸患い~

2024.06.19BLOG

ビタミンB1不足~現代の江戸患い~

体にとって大事なビタミン
その中でもB1についての話題です
ビタミンB1の不足は脚気という病気になります
明治43年脚気を治す成分を
鈴木梅太郎が米麹の中に見つけ「オリザニン」と名付けました
世界で最初に発見されました
と言いたいですが
ほぼ同時期にポーランドの科学者が国際学会に発表
「ビタミン」と名付けたため現在では「ビタミン」という名称が普及しています
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ビタミンB1は精白された米や小麦にはほとんど含まれません
米の胚芽に多く含まれるビタミンB1は、精米によって取り除かれてしまうからです
そうなるとそこに含まれるブドウ糖がエネルギー源に変換できず
全身の倦怠感、末梢神経障害、心不全が起こります
それを「脚気」「江戸患い」と言います
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白米を食べ始めるようになった江戸時代~大正時代にかけて
脚気が大流行しました
江戸時代には殿様が「江戸患い」になり
里に帰り 里での主食「稗」「粟」などを摂ると良くなったとの話があります
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陸軍軍医であった森林太郎(森鴎外)は
脚気は「脚気菌」による細菌感染症であるとする説にこだわり
当時の陸軍の兵食は1日6合の白米で副食は乏しかったと言われています
そのため日清戦争では4000人以上
日露戦争では2万7000人以上の陸軍兵士が脚気で死亡
戦死者よりも多かったとも
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英国に留学経験のあった海軍軍医の高木兼寛は
英国海軍に脚気が無いことに気付き
それが「洋食」に鍵があると考え
「麦飯」を取り入れたところ
同じ戦争でも海軍は脚気で亡くなった人はほぼ0でした
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ビタミンB1は「1番」の名にふさわしくとても重要なビタミンです
現代ではビタミンB1を含むおかずを摂取できるようになったにもかかわらず
甘いものの過食や主食に偏り過ぎてビタミンB1不足が起こり
代謝異常を起こして、高脂血症にもなっています
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脂質異常があるときには
脂質のとり方だけを見るのではなく
精製された白米や小麦製品を摂りすぎてはいないかも
あわせて考えたいものです
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そんなわけで
やはり当院では「玄米食」を勧めます