妊娠中に服用する鎮痛剤と児の発達について

2024.04.29栄養

妊娠中に服用する鎮痛剤と児の発達について

妊娠初期に頭痛を訴える方が少なからずいます
頭痛は辛いものですから、つい薬剤に頼りたくなりますが
これまで長く妊婦に用いられた薬剤でも危険性が考えられるという報告があるので
共有いたします
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米国で535組の母児を対象とした前向きコホートで
妊娠中のアセトアミノフェンの使用が生まれた子に及ぼす影響を検討しています
出生児が2、3、4歳になった時点で子供の行動チェックリストを用いて行動を評価しました
アセトアミノフェンは先天異常との関連性が無いとされるため
妊娠中に安全に使用できる唯一の解熱鎮痛薬と考えられています
風邪薬にも含有されていることがあります
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アセトアミノフェンはエンドカンナビノイド系を介し鎮痛作用を発揮するとされていますが
エンドカンナビノイド系は脳の発達に重要な役割を果たすそうです
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報告では母親の70.5%が鎮痛目的に妊娠中アセトアミノフェンを含む薬を少なくとも1回使用していました
全妊娠期間の累積曝露量が多いほど、2歳および3歳時での注意力とADHDのスコアが高かったそうです 1)
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ADHDが増えていると言われていますし、そこまでいかなくてもその手前の段階で
注意力が足りないといった子供の行動で育児に苦労されている方も多いかもしれません
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そのようなことから妊娠初期によく起こりがちな頭痛はまず自分で対処してみることもご提案いたします
軽度のうちに
★首の後ろを蒸しタオルなどで温める
★常温以上の水分を少しずつよくとる
などをアドバイスして良い効果が現れたと報告をいただいていますので
薬剤を手にする前にやってみる価値はありますね
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また頭痛が起きにくくなる食生活などにご興味ある方は
ぜひ当院の栄養カウンセリングにいらしてください
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*参考文献*
1)Woodbury ML, Geiger SD, Schantz SL. The relationship of prenatal acetaminophen exposure and attention-related behavior in early childhood. Neurotoxicol Teratol. 2024 Jan-Feb;101:107319. doi: 10.1016/j.ntt.2024.107319. Epub 2024 Jan 8. PMID: 38199313.